灰色の毛色。一般に白馬といえば年をとって白くなった芦毛馬のことを言う。サラブレッドでは約7%を占める。生まれたときは灰色や黒、もしくは母親と同じ毛色であったりするが、年を重ねるにつれ白くなっていく。このため芦毛だと気づくのが遅れ、一旦鹿毛や栗毛と登録されたものが後に芦毛に変更されることもある。
また、高齢になると芦毛ゆえの黒色腫と呼ばれる腫瘍(人間で言うところの皮膚癌(ひふがん)に当たる)の発症率が高くなることが知られている。この腫瘍は基本的には良性だが、悪性化し死亡に至ることもある。シービークロスはこれを発症し死亡。オグリキャップは発症するも手術の甲斐が有り救われた。
芦毛は白馬として珍重されたが、この特殊な癌の発症率が高いことや軍馬としては敵に見つかりやすい等の弱点のためサラブレッドでは排斥された歴史もあり(「芦毛」の語源は「悪し毛」とも言われている)、20世紀初頭には殆ど見られなくなっていた。その後ザテトラークとその父・ロアエロドなどの活躍により勢力を回復したため、サラブレッドにおいては殆ど全ての芦毛馬がロアエロドを祖としている。血統書で可能な限り遡るとオルコックアラビアン、又はブラウンロータークまで遡ることができる。